あなたの「防衛軍」がかぜのウイルスとの戦いで手一杯になると、口唇ヘルペスのウイルスを抑えられなくなる、と言いましたが、この様な現象はかぜが長引くと起こりやすくなります。
かぜのウイルスに感染してすぐに対応を始める免疫系の細胞は、実は常に口唇ヘルペスのウイルスを抑えている細胞と少し種類が違います。
ところが、かぜをこじらせてしまうと、普段口唇ヘルペスを抑えている種類の細胞までかぜのウイルスとの戦いに駆り出され、口唇ヘルペスの再発を抑える戦力が足りなくなってしまうのです。
そうならないうちにかぜのウイルスに打ち勝ち、できるだけ早くかぜを治すことが口唇ヘルペスの再発を防ぐことにつながる理由がここにあります。
そしてこのかぜのひき初めに対応する免疫系細胞のはたらきを強化するのに一番大切なのが、体温を上げることなのです。
人の体には、このタイプの免疫を強くする必要があるときに自然と体温を上げる仕組みがあります。
そう、それでかぜをひいたときには熱が出るのです。
熱が出はじめる時には無意識に身体がふるえたりしますね。
これは身体が免疫を強化するため、より高い体温を必要とするときに、平熱では寒いと感じている証拠なのです。
こんなとき体を冷やしてしまうと、かぜのひき初めに対応する免疫細胞のはたらきが弱くなってしまい、かぜが長引いてしまいます。
実際に私もかぜをひいたときに身体をひやしてしまい、いくら薬を飲んでも全然効かずにこじらせてしまった経験があります。
その経験から私は、かぜをひいたときに何よりもまず気をつけるべき事が、身体を冷やさないことだと身をもって理解しました。
あなたもかぜをひいたときには絶対に体を冷やさない様気をつけてくださいね。
そして次に気をつけることは、体を休めることです。
かぜをひいて熱がでたときは、体は体温を上げるために沢山のエネルギーを使っています。
たとえ高熱がでなくても、或いははっきりと平熱より高い熱がみられなくても、実際に身体は「侵入者」と戦うために普段より多くエネルギーを使っています。
つまり体内の栄養物をたくさん燃やして熱を発生させたり、免疫細胞を増やしたりしているので、結構疲れているんです。
「疲れ」ている状態とは、簡単に言い換えると平常を保つのに必要な体内の物質や細胞が働く能力が消耗されてしまい、不足した状態です。
そんな時に無理をして、より多くエネルギーを使うのは避けましょう。
できるだけ栄養補給をして体を休めることが大切です。
ちなみに、免疫力アップに重要な栄養素は何と言ってもタンパク質とビタミンです。
これらを含む肉類、卵、豆類や乳製品などを積極的に食べる様に心がけてください。